たばこの煙の口腔内に及ぼす影響

投稿日:2017年12月8日

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今までの多くの研究から、タバコの煙の中には約4000種類の化学物質が含まれ、そのうちの約200種類が有害物質、約60種類が発ガン物質といわれ、さまざまな成分の生体への悪影響が確証されています。
たばこ煙が最初に通過する口腔は、喫煙の悪影響が貯留する器官になります。
すなわち、口腔に貯留・通過するたばこ煙による直接的影響と、血液を介した間接的影響の双方が関わります。
たばこ煙と接触する歯肉や口腔粘膜は、皮膚と同じように重層扁平上皮で覆われています。そのためたばこ煙の影響は、上皮の厚さやその直下の粘膜下組織に分布する血管の分布度に依存します。一般的に歯肉は角化し、口腔粘膜の上皮は口腔底、舌下、口唇、歯槽粘膜で薄く、口腔蓋や舌背で厚くなっています。特に口腔底粘膜は物質透過性が高く、薬剤の迅速な吸収を期待して薬剤の舌下錠が使用されていることからも分かるように、タバコ煙の影響を受けやすい場所です。

喫煙との関連が示唆される口腔内所見及び疾患

1 能動喫煙

口腔粘膜: 白板症 口腔がん(特に口蓋底、舌、頬粘膜) カタル性口内炎 偏平紅色苔癖 慢性肥厚性カンジタ症
歯周組織: 歯肉メラニン色素沈着 急性壊死性潰瘍性歯肉炎・歯周炎 喫煙関連歯周炎 
舌: 正中菱形舌炎 黒毛舌 舌白色浮腫 味覚の減退
口唇: メラニン色素沈着 角化症 口唇炎 口唇がん
歯: 色素沈着(ヤニ) 歯石沈着 根面う蝕
充塡物・補綴物: 色素沈着(ヤニ)
その他: 口臭 唾液の分泌・性状変化 壊死性唾液腺仮生(小唾液腺炎)

2 受動喫煙

歯周組織: 歯肉メラニン色素沈着 歯周炎
乳歯: う蝕

3妊娠時の喫煙

胎児: 口唇裂 口蓋裂

このように、喫煙によって審美障害はもとより、咀嚼・嚥下・発音などの大切な口腔機能の低下を促すことになります。喫煙者は、非喫煙者にも影響を及ぼしていることをよく考えてみてください。