子供の虫歯と垂直感染

投稿日:2016年11月9日

カテゴリ:予防歯科

子育てをしているお母さん達は、初めて妊娠した時は多くの方が育児書などを目にすることがあると思います。

その中には母子垂直感染を防ぐためには口移しや食器を共有しないなどの予防方法が載っています。

しかし、最近までのエビデンスを検証してみると誤解があることがわかってきました。

 

★垂直感染予防に関する誤解例★

・母子間では、子供とのキスを控えるべき

・母子間でお皿や箸、スープーンなどの食具は使い分けるべき

・熱い食物、飲み物を冷やすために母親が息を吹きかけてはいけない

・柔らかくするために母親が口で噛み砕いて子供に食べさせてはいけない

 

 

これらは、以前は歯医者でも指導させていただいていました。

ミュータンス菌(虫歯菌)等のう蝕病原性菌は、生後19〜31か月の時期に母親から子供に感染すると理論づけられ、母親の唾液中のミュータンス菌や虫歯が多いと、子供のミュータンス菌や虫歯も多くなるという関係が示されています。

しかし、1996年頃からの研究で、虫歯の発生は口腔内の細菌の数より

食生活に依存することがわかってきたのです。

2011年の研究の報告では、研究結果について詳しい数値については省略させていただきますが、食器や口移しをしない保護者は、子供の口腔の健康に関心を持ち、一般的に口腔に良いと言われている口腔保健行動を多く取っている傾向があったということがわかりました。

それと同時に食器等の共有とう蝕発生率に関連がないことがわかったのです。

 

と、お話ししてきましたが、実際これも現時点での研究結果でしかありません。

この先、また母子垂直感染の考え方が優位になる研究結果が報告されるかもしれません。

今言えることは垂直感染を原因の一つであるかもしれないと考え、子供の口腔の健康のために母親の口腔の健康を維持すること。虫歯菌のコントロールよりも食生活などの生活習慣のコントロールをしっかりしていくことが重要だということです。のぶ:デンタルクリニック中町スタッフに気軽に相談していただき、生活の中で予防を取り入れていただければと思います。