インプラント

投稿日:2017年1月15日

カテゴリ:インプラント

先日ある有名なインプラントメーカーの営業の方が来院しました。彼とはもう18年以上前からお世話になっております。全国の有名無名問わず多くの先生方とコミュニケーションをとって、いていろいろな情報を持っております。

そんな彼にこんな質問をされました。「先生は、インプラントの長期安定のために何が一番重要だと考えていますか?」 この質問を何百人もの先生方に聞いているのだそうです。毎年、年間に何十回と開催されるインプラントの学会で追及している課題ですね。

ある先生は、インプラントの表面性状。またある先生はエクスターナルジョイントか、インターナルジョイントの違い、またある先生は、インプラントの埋入位置、またある先生は骨質、またある先生は、歯肉の質、またある先生は、歯周病の感受性、またある先生は術者のテクニック。と言ったように様々な意見が出ますが、どれも正解だと思います。

ただ質問がかなりアバウト過ぎて質問自体に問題があると思います、先ず、長期安定性とはどれくらいが長期なのか、使うインプラントはどんなインプラントで、またその対象となる部位はどこか、また咬合様式はどうなのか、喫煙は?性別は?全身の病歴は?など、対象を細かく分けて分析しなければ何とも言えないと言う事。

一般の患者さんからも同じ質問を受ける事が多々有りますが、多くはその患者にとってのインプラントがどれくらい長く持つかが知りたい内容。

先日、私が10年前に73歳で左下に2本インプラントを埋入したある患者さんと話していると、インプラントは全く問題なくよく噛めているので、反対側のブリッジが最近ぐらついてきたので、抜いてインプラントにしたいと言う内容。患者さんは現在83歳、インプラントをすれば死ぬまで持つよね。っと言ってきました。

この患者さん、左下のインプラントを埋入してから3年後に、骨粗しょう症の薬であるビスフォスフォネート製剤を飲み始め現在7年服用している。

10年前とはインプラント手術をするにあたっての条件が全く違っていて、現在は右下のブリッジを抜くだけでも、顎骨壊死の可能性は最低でも0.1パーセント以上有るし、仮に上手く骨が治癒したとしても、約半年後にするインプラントのオペでもまた顎骨壊死の可能性はついて回る。ましてや更に歳をとって老化も進行する。薬の影響と老化の影響でインプラントの長期安定性は10年前にしたインプラントと同じではない。まあ何歳まで生きるかも有るのですが。。。

このように、生きている生体を相手にしているので、インプラントの表面性状やスレッドの形やテクニックの前に、同じ患者でも、その年齢によっていろいろ病歴もできてくるので、全身のポテンシャルを考えた治療が必要なのです。

上記の患者さんには10年前に左右のインプラントをするべきと伝えていました。

患者さんはあの時していればよかったのになーっと。タラればの話になってきます。

治療にも縁が有るのです。

 

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